接着に関する基礎として
理工学的な内容を
アドバイザーから
計6回にわたりご教授いただきました。
1.被着体の構造と物性
1)歯質
(1)エナメル質 (2)象牙質
2)セラミックス
(1)二ケイ酸リチウム系(2)ジルコニア
2.被着面処理後の形態、分子構造および性質
1)歯質
(1)エナメル質(2)象牙質
2)セラミックス
(1)二ケイ酸リチウムガラスのフッ化水素酸処理後の形態および最表面層の元素の種類とその分布
(2)ジルコニアに対する陶材焼結処理後の形態、陶材の分布(領域)および表層元素の種類と分布
3.接着材(プライマー、ボンディング材、レジンセメント)
組成と各構成成分の機能、特に接着機能性モノマーの種類とその分子構造
接着性官能基(リン酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、水酸基等)
4.接着機構
1)機械的嵌合力
2)分子間力(水素結合、ファンデルワールス力)
5.接着強さに影響する因子
1)メタクリル、アクリル系重合方法
2)重合率
3)重合収縮率
4)付加重合における酸素の影響
5)内部応力および応力の分布・分散
6)繰り返し過重と接着層の劣化
7)接着界面に生成される化合物の分子構造と性質
8)被着面の微細組織構造の均一性および不均一性
9)被着面表層の原資・分子団の分布
6.その他
1)シランカップリング材分子中のメトキシ基の加水分解反応
2)メタルプライマーの互変異性について
総括:歯科医療における接着および接着技術は、スーパーエナメルに代表されるようにMinimal Interventionを基軸として目覚ましい発展を遂げています。
しかし、接着界面の不均一組織や残留応力などが存在する事も事実です。したがって、これらの諸現象を意識しつつ臨床を進めることが肝要です。
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